オレンジの彼。

朔斗☆side〜


「…んだってんだ‼」

俺は、持っていたボールを思いっきり下に投げつけた。


「くそっ…‼あんなこと言うつもりじゃなかったのに‼」


俺はただ…

詩織の応援したかったんだ。

お前が幸せならそれで良いと思ってたんだ。



だけど…

あんなに幸せそうな顔で健吾の話をするなんて、


「嫉妬しちまうだろうが…」



詩織…

ごめんな。


俺、酷い言い方したよな…



「泣いてたよな…」


体育館を出て行った時の詩織の顔が頭から離れない。



俺は足元に転がっているタッパーを拾った。



“レモンの砂糖漬けが食べたい‼”

“分かったよ♪”


俺がわがまま言って、欲しいって言ったから作ってくれたんだよな。


詩織…っ…

まだ、どこかで泣いてる?



「…っ詩織‼」

俺は、走って体育館をでた。






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