オレンジの彼。
★スポーツマン
「う…ううっ…っ朔斗のっバカァ‼」
あたしは、保健室で泣いていた。
先生は、あたしを見るなり部屋だけ開けて何処かに行ってしまった。
多分、気を使ってくれたんだと思う。
「あんな言い方しなくたって…良いじゃん…」
ベットの上に横になった。
どうして…
あんなに怒ってたんだろう…
ガラガラっ。
「しぃちゃん居る?」
この声は、
「結城先輩?居ますよ」
シャッとカーテンを開けた。
「しぃちゃん…」
今あたしはきっと、ものすごい顔をしているんだろう。
「あの2人となんかあったんだね?」
2人?
あたしは首を横に振った。
健ちゃんとは…何もない。
「そうなの?2人ともすごい怒ってたよ。特に…」
そこまで言って、先輩は口を閉じた。
「…どうしたんですか?」
しばらくしてから先輩は口を開いた。
「殴り合いでもしそうな雰囲気だったから、俺が止めといたよ」
ははっと笑った。