オレンジの彼。
殴り合い!?
なんで…、まさか健ちゃんが??
そんな訳、ないよね…
あたしのことで、一々そんなことしないだろうし。
「健ちゃんとは…何もないです」
弱々しく呟いた。
「ってことは朔斗か…」
先輩は納得したように頷いた。
「…」
黙ったまま先輩を見つめる。
「で、何て言われたの?」
「それは…」
言葉に詰まるあたしを見て、はあっとため息をついてから先輩は優しく微笑んだ。
「言いたくないことは、言わなくて良いよ。」
「…先輩っ…」
「無理には聞かないよ。しぃちゃんが辛い顔になるの見たくないからね。」
優しく微笑む先輩に心が軽くなった。
「ありがとう…ごさいますっ…」
あたしの目からまた涙が溢れでてきた。
「楽になったら、しぃちゃんが話したいと思ったら話してくれればいいから」
「…っ…はいっ…‼」
「うん。でもね?寂しい時は、泣きたい時は1人で居たら駄目だからね。」
「…はいっ…‼」
「よし。涙が止まったら、部活においで。部活中は朔斗や健吾に普通にマネージャーとして接しろよ。」
「はいっ‼」
はっきりと返事を返すと、先輩は満足そうに微笑んでいた。