オレンジの彼。


「スゥ」

あたしは大きく深呼吸をする。



「あ、ちょっと楽になったかも♪」

深呼吸をしたら少し落ち着いて、徐々にあたしの涙は消えていく。



あたしはベットからでて鏡を見る。


「うっわあ…。酷い顔…」

目が赤く腫れていた。
明らかに泣いてましたと分かる涙の後。


この顔、さっきまで結城先輩に見られてたんだよね…

「最悪…」

あたしは顔を洗う。



「ぁ…ちょっとスッキリしたかも」

顔を洗って気分が楽になった。
全部が水に流された訳じゃないけど。



多分、結城先輩は結城先輩なりになぐさめてくれたんだと思う。
普段はたらしで嫌な先輩だと思ってたけど、先輩の良いところが分かった。


あたしは目を少し冷やしてからもう一度、鏡を見た。


さっきより腫れがひいている。
これならよっぽど至近距離にこなければ泣いていたことはばれないだろう。


「よし♪大丈夫。」

あたしは自分の頬を軽く叩いて気合いを入れた。

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