オレンジの彼。


保健室を出たら丁度、保健の先生が立って居た。


「…雨宮さん…」

先生が心配そうな顔でじっと見てくる。



「もう…大丈夫なの?」


遠慮ぎみに先生が言う。

「…はいっ」

「そう…なら良かったわ」

安心したように柔らかく笑っている先生。



「色々と、ありがとうございました」

あたしは頭を深く下げた。



「気にしないで良いのよ。
また、何かあったらいつでも来ていいからね」


そう言うと、ほんわかと優しく微笑んだ。


「…はいっ‼」


先生ってすごい良い人だなあ。

優しいし、無理には聞かないし。


すごい感じの良い人だ。



「それじゃあ」

あたしはもう一度頭を深く下げて体育館へと向かった。




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