オレンジの彼。


落ち着け…

落ち着くんだ…


落ち着け、詩織‼


ゆっくりと深く深呼吸をして扉に手を当てる。



“朔斗や健吾に会ってもいつも通りな‼”

先輩の言葉を思い出す。


そうだよ。
いつも通りでいいんだ。


あたしはゆっくりと体育館のドアを開けた。


入ったときに健ちゃんと目があったがあたしは軽く微笑んで目線を逸らす。


逸らした先にみえたのは、


丁度、シュートを打ち終わった朔斗の姿だった。



あまりにも綺麗で目を逸らすことが出来なかった。



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