オレンジの彼。
「それじゃあ、頼んだよ?」
そう言って、輪の中に戻っていった。
とりあえず、あたしは部員全員分のタオルと飲み物を用意した。
そして、
「ファイトー」
「ナイッシュー」
と一緒に声をだした。
「ううー疲れたあ。先輩鬼!!」
そう言ってコートの端っこにくる部員達。
あたしはすぐにジュースとタオルを持っていった。
「はい、ジュースとタオルです」
笑顔で渡すと少し驚いていた。
「あっ、ありがとう」
あたしはジュースとタオルを順番に渡していく。
「は…い…」
っ!
朔斗…
“部活中は普通に接するんだよ”
先輩の言葉を思い出してあたしは笑顔を作る。
「はい、朔斗大丈夫?頑張ってよね」
と、言った。
あれ?
普通に接するって、いつも通りって、
どうするんだったっけ?