オレンジの彼。
「俺も1本だ!」
健吾が口元を緩めた。
「…そうこなくっちゃ!」
やっぱり健吾は上手い。
さすが次期キャプテンだ。
でも、俺だって負けちゃいねー!
2、3本と徐々に決まっていく。
健吾が1本入れれば俺が返す、の繰り返しだ。
「おらっ!」
俺は20cmほどジャンプして健吾の打ったボールを弾いた。
「…おっ!」
「へへっ♪どうだ?
そう何度も上からシュートなんてさせねーよ?」
どーだ。
俺に何度も同じシュートが通じると思ってんのか?
「ふっ…そう言うお前こそ、速攻ばかりで勝てると思ってんのか?」
「うおっ!」
ボールを奪われた。
俺らは顔を見合わせて笑った。
さすが健吾だ。
そう簡単に勝たせてくれねえよな。
でも、俺だって絶対負けねえ!!