オレンジの彼。
「…はあ…はあ…」
健吾、速攻だけはいかせねえように構えてんな。
「健吾、1つ忘れてるぜ?」
「は?」
俺は後ろに下がってスリーポイントシュートを打った。
今日の朝、詩織と一緒に練習したシュートだ。
見事にゴールにはいった。
「…なるほど。そう言う手もあったんだな」
「ああ。どうだ?驚いたろ」
「…」
ふっ。
健吾のやつ驚いてやがる。
そーだよな。
俺は、練習で一回もスリーを打った事がないからな。
これで、リフェンスが甘くなる。
どーだ。健吾。
今は8vs9だ。
あと1本決めれば俺の勝ちだ。
「朔斗…」
「ん?」
「もう、お前には1本も打たせない!」
「ふっ…直ぐに決めてやる」
健吾のボールからだ。
俺は低く構えた。
これで、カットして俺がシュートを決めて終わりだ。