オレンジの彼。


急に、健吾の目付きが変わった。

本気だ。
だけど、俺だって負けるわけにはいかない。


うっ!
強引に突っ込んでくる健吾を懸命に抑える。


「朔斗、お前も1つ忘れてるぜ?」

「は?」



いきなり振り返ってリングの真ん中に直接ボールを叩き込んだ。


ダンクだ。スラムダンク。


「健吾、お前…、」

「同点だな?」

「ああ」


ダンクなんて並大抵の奴ができる技じゃねえ。
あいつも、隠してやがったな。


「健吾、これを決めたら俺の勝ちだ。」

「…ああ」


「遠慮なく生かしてもらうぜ?」


健吾は口元をあげて、


「望むところだ…」


と呟いた。


絶対負けねえ!!


< 74 / 84 >

この作品をシェア

pagetop