オレンジの彼。
詩織☆said〜
やっと終わった。
意外と疲れた。
まさか、結城先輩があんなに厳しいとは思わなかったな。
健ちゃんと、いっぱい喋ったな。
これもそれもバスケ部のマネージャーになったからだ。
「しぃちゃん!しぃちゃん!」
更衣室のドアをドンドンと叩く音と、結城先輩の声が交互に聞こえる。
「ちょっ!先輩、ここ女子更衣室ですよ?」
あたしの声を無視してドアを叩き続ける。
「そっ、そんなことより!早く体育館に来て!大変なんだ!!」
凄い勢いで言う先輩。
「わっ、分かりました」
急いで荷物をまとめて、更衣室から出る。
「と、とにかくっ!こっちに来て!」
結城先輩が慌ててあたしの手を引っ張って走る。
おいていかれないように慌ててあたしもついて行く。
「はぁ…はぁ…。いったい、何なんですか?」
顔を上げると、凄い剣幕な空気の中を戦っている2人の男。
朔斗と健ちゃん。
2人とも息を切らしながら必死になっている。
「しぃちゃん。健吾ばっかり見てないで、朔斗もちゃんと見て上げてな」
「えっ?それって…どーいう?」
目の前で、
朔斗がスリーポイントを決めた。