オレンジの彼。

あのシュートは、今日の朝一緒に練習したシュートだ。

朔斗、凄い綺麗なホームで打ってる。


あたしの胸が急にどくんっと脈を打った。




「あいつ…スリー打てたんだ。隠してたな…。」


先輩が横でぼそっと呟いた。



そうなの?
朔斗、スリー打ったことなかったの?

あんなに上手いのに??


勿体無い。
あたしは素直にそう思った。


皆に秘密にしていたこと、わざわざあたしに教えてくれたんだ。


何でだろう。

あんなに憎たらしかった朔斗が今ではあたしの中の大事な人になってる。


いつからだろう…


わかんない。



けど、目を閉じれば思い浮かぶ朔斗の満面の笑み。



胸がキューと締め付けられた。



< 76 / 84 >

この作品をシェア

pagetop