オレンジの彼。

ねぇ、朔斗...。

好きだってさ。



やっと、分かったんだよ。
気付いたんだよ。




でも、でもね?

あたし健ちゃんのことも好きだから。
どうしたらいいの?




「しぃ」

健ちゃんが泣いているあたしを見て、
優しくぽんぽんと頭を撫でてくれた。




そして、ちらっと結城先輩のほうを見た。



「はいはい。邪魔ものは消えますよ~。」

結城先輩は軽くあたしにウィンクしてから、体育館を出て言った。





「大丈夫か?」

そう言って指で涙を拭いてくれた。


「...うん、ごめんね」

「別に」



ねえ健ちゃん。
あたしやっぱり、健ちゃんのそういうところも好きだよ。


でも、でもね。
朔斗も好き。


もう訳分かんないよ…。


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