オレンジの彼。

健吾☆side~



しぃはごめんを繰り返して泣き続けた。

なあ、しぃ?
それって何に対してのごめんなんだ。


結城先輩を追い出してから少しの沈黙が流れる。


俺はゆっくりと深呼吸をして、気持ちを落ち着かせた。



朔斗、俺ちゃんとお前との約束を守る。
ずっと勇気を出せなかった俺にこんな大チャンスをくれたんだから。

しぃにちゃんと気持ちをぶつける。
結果がどうであれ、後悔はしたくねぇし。



俺はもう一度深く深呼吸をしてしぃに向かった。


「あのさ、しぃ」


やべぇ!!緊張する!!
落ち付け、落ち着くんだ俺!!


「...どうしたの?」

涙を拭いて言うしぃ。


顔がほんのり桜色に染まっている。




…反則だろ。
抑えろ俺!!

一人で動揺している俺に比べて、きょとんとした顔をしているしぃ。



…よしっ、決めた。


「しぃ、俺、しぃが好きだ。小さいころからずっと好きだった。」

「…」

あれ?反応なし?
俺はしぃの顔をじっと見つめた。


「えっ、あの、ええ??」
急に顔を真っ赤にするしぃ。


「なんで?どうして?」

「…」

人が告白してんのに、“なんで?どうして?”ってひどくねえか?
俺はじーっとしぃを見た。


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