オレンジの彼。

「だって、だって。健ちゃんってずっとあたしのコト嫌いだったんじゃないの？」

俺がしぃのことを？

そんなのありえねえし。




「そんなことねえ」


「あるよ！だって健ちゃん中学上がってから急に冷たくなったじゃん！悲しかったんだから！！」


そういってうつむくしぃ。




「そ、それは...。しぃが、中学入って急に大人っぽくなったからなんか照れくさくてあんま喋れなかったんだよ」


な、何言ってんだ？？
多分俺、今あり得ないほどに顔が真っ赤だ。



「と、とにかく！しぃが好きなんだ、俺と付き合ってくれないか？」




たまにドジなところも。

意地っ張りで負けず嫌いなところも。

本当は寂しがりやなところも、


全部全部含めてしぃが大好きだ。




「い、妹みたいに好きじゃなくて？」

「ふっ、妹みたいとかじゃなくて、1人の女の子としてしぃが大好きだ」

そういって俺は愛しそうにしぃを見つめた。