オレンジの彼。
結城☆side~
はあー、結局あの2人の両想いで終わったのかー。
まあ、大方予想はついてたけどな。
・・・朔斗大丈夫なのか?
失恋ぐらいってレベルじゃねーもんな。
親友が好きな女となんて、辛いに決まってる...。
しゃーねえー、見てきてやるか。
俺は走って朔斗を探しに行った。
「おい、朔斗!!」
朔斗は部室の中で魂が抜けたみたいにボーっっとしていた。
「あ、...先輩」
目元が少し赤い。泣いてたな..
「..お前達..似てるよな...」
朝のしぃちゃんとかぶった。
「え?」
「嫌、なんでもない」
俺は朔斗の隣に座った。
「お前、大丈夫か?」
どうせいつもみたいに
“全然平気っスよー。気にしてないんで”とでも言うと思ったら、
「ははっ...正直キツいっス」と自信なさげにいった。
まさか、朔斗が弱音を吐くなんて思わなかった。
いつも辛くても、チビとけなされても笑顔で言い返しているのに、
今日の朔斗はとても小さく見えた。
小刻みに震えている朔斗を見て、俺は少し昔を思い出した。