空からの奇跡
瑠菜はすたすた歩き出すと、ついさっき通って来たばかりの道を進む。
「結局何だったんだろ...」
なんて不振を抱きながら。
その時だった
「よお」
階段を上る際に沢山の生徒がいる中で、ある人達だけ瑠菜を見ていた。
「......」
瑠菜はその人達を見るなり
動揺を隠しきれなかった。
瑠菜の目線の先にはー・・・
林くんと肩を組んだ祐ちゃん。
祐ちゃんは林くんにかけた手の反対の手を軽くあげた。
「何してんの?藤川がひとりなんて珍しー」
“俺に話を合わせろ”とでも言いたいような顔で瑠菜を見てくる祐ちゃん。
それとは裏腹に、瑠菜は林くんを見るなり心臓の限界だった。
「祐ちゃんごめん!」
瑠菜は走って教室に戻った。