先生とわたし
 



昨日の夕方に藤谷に送ったメールの返事が、まだない。


『先生は社会人。忙しいんだから、しょうがない、しょうがない』

と、自分に言い聞かせ柏は眠った。



翌日、学校に行き柏が目にしたのは、藤谷が女生徒と仲良さげに話している姿だった。


女生徒が一方的に藤谷に絡んでいるのは明らかであったが、柏にはその判断がつかない。


『今はお仕事中。気にしない気にしないっ』

バッと目をそらして自分に暗示をかける柏。


その後、柏は携帯を開いたり閉じたり、電源を切ったり付けたりと、落ち着かない。



ついに最後の授業。
藤谷が受け持つ理科の授業だ。




< 12 / 20 >

この作品をシェア

pagetop