インプラント
「お客さん。これをどこで手に入れた?

あんたのじゃないんだろ?」




老人は厳しい視線を男に投げかける。




「最近、抗うつ剤が闇で売買されて

問題になっとるんじゃ。




まさかあんた…」




男はかぶりを振りあわてて弁明をする。




「ち、違うんです。これは彼女が持ってたもので…

彼女、そこのシャッターの前でいきなり走り出して




どこかに行ってしまったんです。

その時この薬を落として行って…」




「そこのシャッターか?」




老人が男の弁明を遮り問いかける。

男は黙ってうなずく。

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