インプラント
「沙希?沙希なのか?」


頭の中に聞こえてくる声に男は
答えるが


やはり暗い店の中に男はひとりだった。


「でも二粒目を飲むとよろいを脱ぎ去った
真の心が見えてくる。


あなたにはそれが見えた?」




「ああ、見えた。見えたんだよ!」


男は血眼になって店を探しまわるが
沙希の姿は見えない。


焦燥感に駆られる男。


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