インプラント
男が放った単刀直入な言葉に

顔を赤らめる沙希。




下を向いて小さくうなづく。




「俺は沙希のことが好きだ。

沙希は本当に俺のことが好きなのか?」




「もう…なによ!さっきからちょっと変だよ。

どうしたの?」




男はこの瞬間総てを察した。

沙希の手を離しうなだれる男。




「やっぱりこの世界も幻影だ。間違いない」




沙希は男にすがりつく。




「何を言ってんの?幻のわけないじゃない!




沙希はあなたのことが好きでたまらない。

そしてあなたも私のことが好き。




これのどこが幻だって言うの?

二人は愛し合っているのよ!」

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