インプラント
道を歩いていく祐樹のそばを

子供が駆けていく。




無邪気な笑い声を

上げて走り去っていく子供たちをじっと見つめる祐樹。




今いるここが現実だなんて

言い切れないよな…




「バカか…俺。いつまで妄想に取りつかれてるんだ」




呆れた笑いをうかべて

歩きだそうとしたまさにその時




背後から声がした。




聞き覚えのあるしわがれた声は

男の背後で確かに響いた。

< 53 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop