半熟cherryⅡ
chapter:01
9月1日。
2学期が始まった。
俺、逢沢 郁の夏休みは。
今までで一番…。
熱い夏休みだった。
「…また2学期は行事も多く…」
蒸しかえるような暑さの体育館。
…頭の薄い校長のおもしろくもない話が。
もう15分続いていた。
「…つっまんねぇ話」
隣にダルそうに立ってる金髪…。
桜井 涼真が呟いた。
『こんな暑いんだし誰も話聞いてねぇのわかんねぇのかな』
…実際。
始業式の進行をしている教頭ですら話なんか聞かずに。
クリーム色の扇子で首もとを扇いでいた。
「頭薄いし無理だろ」
『薄いのカンケーなくね?』
…あ〜…ダル…。
こんなつまんない話聞くぐらいなら。
2学期初日から遅刻、の方がよかったカモ。
立ちっぱなしでダルくなってきた体を少しでも動かそうと。
首をコキコキと鳴らした。
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