半熟cherryⅡ

放課後。



「“ヤツ”んトコ行くの?」





帰り支度をしていたら。

涼真が話し掛けてきた。



“ヤツ”とはあの体育教師のコト。

あのめんどくさいヤツね。





『…行くわけねぇじゃん』





自分から挑発してきといて。

“指導室に来い!!”なんて。

何様のつもりだっつーの。





「じゃあさ…行っちゃう?」





涼真は“ニカッ”と笑いながら。

マイクを持つ素振りをした。





…イライラしたトキは大声出すに限る。





『…いーね』

「うしっ。じゃあアツシとケンチャンにも声かけてみるわ」





彼女には先に帰ってもらって。

今日は涼真たちと騒ぐ!!





そう決めて教室を出た。



 

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