半熟cherryⅡ
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話し終えた俺が感じる冷たい視線。
それは茜と一美センセイから発していた。
「“武勇伝”っつーより“笑い話”だよな」
“ウンウン”と頷きながらひとりで納得してる涼真。
「…なんで否定しなかったの?」
『めんどくさかったから?』
「浮気よりそっちの方がサイテーだわ」
一美センセイは呆れたようにため息を吐いた。
「先生にだって“猫に引っ掻かれて〜”って素直に言えばよかったのに」
『何かにつけて挑発してくるんだぜ?アイツ。
しかも嫌みッポイからキライだったんだよ』
「ま〜、たしかに。
明らか虫刺されなのに“ガキがキスマークつけてくんな”とかさ。
俺も言われたし」
茜の言葉に。
涼真がウーロン茶を飲み干しながら言った。
“成績いいからってなんでも許されると思うなよ”
“俺はお前みたいな努力を知らない人間は気に入らない”
それでも教師かよって言葉を並べられてきた。
少しくらい反撃しても“罰”はあたんないはず。