半熟cherryⅡ
そんな俺の考えを知ってか知らずか。
「じゃあ、ごゆっくり♪」
ヒラヒラと手を振りながら歩きだした一美センセイ。
その背中を見つめてる涼真が隣にいた。
『…一美センセイ!!』
俺はゆっくり歩いている一美センセイを呼び止めた。
「な〜に?」
『…涼真、バイクだし。
危ないから送って行きマスよ』
「あ゙ぁ゙ッ?!」
俺の言葉を聞いて。
涼真が目を見開いて俺を見た。
「ちょっ…郁?!」
「そーだよ。
こんなんでも一応男だし。
一人歩きは危ないよ?」
茜も一美センセイに言った。
「おいッ!!郁…」
『バッカ、2人きりになるチャンスだろ?
モノにしとけ』
小声の抗議をしようとした涼真。
でも。
「…わかったよ…。
バイク、とってくるから待ってて」
街灯に照らされた仏頂面は。
ほんのり赤く。
頬を染めていた。