半熟cherryⅡ
「一美、気をつけてね」
「またね〜」
『運転、集中しろよ?涼真』
「…うるせぇ」
一美センセイを乗せた涼真のバイクは。
あっと言う間に小さくなる。
「…部屋、入ろうか」
『…だな』
俺と茜は。
2人の背中が見えなくなってからマンションに入った。
「あの2人ってさ〜…どうなのかな?」
エレベーターに乗り込むなり。
茜が言った。
『なにが?』
肩より少し下にある茜の顔は。
心なしか楽しそうに見える。
「…どうにかなっちゃったりしないのかなって」
ちょっとからかうような。
面白がってるような。
イタズラっ子のような顔をしてる。
『…さぁね〜。
涼真だって“オトコ”だし?
どうにかなっちゃうカモよ?』