半熟cherryⅡ

「つーかまーえたッ♪」

『んなッ?!』





彼女は。

倒れこんだ俺の腹の上に馬乗りになった。





…もー…マジでカンベンしてよ…。



だいたい“試しにキス”のはずが。

なんで俺、組み敷かれてるワケ…?





逃げる気も失せてきて。

腹の上に乗った彼女を見上げ。

上半身を起こそうとした。





…が、時すでに遅し。





彼女の唇で俺の唇は塞がれていた。





“俺のキスが巧いか”

そんなのを確かめるようなキスじゃない。





誘うように、煽るように。

隙間から触れてくる舌が動く。





さっきまで食べてたプリンの甘さと。

彼女の唇の甘さが俺の脳内を溶かしていく。





それでも彼女の動きに答えずにいたら。



「……ん…ッ…」



甘く痺れるような吐息と共に。

もっと深く。

もっと奥まで差し込んできた。





…俺だって“オトコ”だよ?



こんなんされたら。

止められるワケないじゃん…。



 

< 144 / 280 >

この作品をシェア

pagetop