半熟cherryⅡ
『だから俺、言ったデショ?
“あの日はあんなに俺のコト、欲しがってくれてたのにな”って』
「…うるさいッ!!」
クッションに顔を埋めたまま。
茜はまた大きな声を出した。
その姿があまりに可愛くて。
俺もソファーに座ると。
茜の頬辺りを突っついた。
『…俺だって“オトコ”なの。
酔ってるとはいえ。
初恋の人に襲われたら逃げ切れるワケねぇっつーの』
「…え?」
俺の言葉に茜が顔を上げた。
まだほんのり顔は赤いケド。
鳩が豆鉄砲食らったような顔してる。
そのまだ赤い頬にそっと触れ。
俺は目を細めた。
『俺の初恋、茜だもん』
ほんのり赤かった頬は。
また一気に熱をもった。
『…顔、赤いよ?』
クックック、と笑う俺に。
「だ、だ、だって郁が…ッ」
めっちゃ噛みながら茜は言葉を発した。