半熟cherryⅡ
だから。
“あの日”の茜からの電話は。
俺にとって。
偶然であって必然だったんじゃないかと思ってる。
…まさか襲われるとは思ってなかったケドね…。
「…でも、結果的にはシちゃってるんだよね…」
茜は申し訳なさそうに俺を見つめる。
『まぁね。
…でもあの日の茜は俺とシタんじゃない』
茜は覚えてないから。
行為の最中。
甘い音を漏らしたトキ。
俺じゃない。
他の男の名前を声に出したってコトを…。
赤みと熱さの引いてきた茜の頬に。
そっと唇を寄せた後。
そのまま耳元で囁いた。
『だからさ。
今度は“俺に”抱かれてよ。
てか抱きたい、抱かせて…?』
“ビクッ”とする茜の体。
俺は耳元に唇を寄せたまま。
茜をソファーと俺で挟み込むように。
空いている方の腕をついた。