半熟cherryⅡ
「…へぇ、男モンの靴…友達?」
「…カンケーないでしょ」
「カンケーあるさ。
俺は茜と結婚したいと思ってるし」
「…鍵、返して。
じゃないと警察呼ぶから」
「俺がいるのに男、部屋にあげちゃダメじゃん」
「いいから鍵返して!!
帰って!!2度と来ないで!!」
全く噛み合わない会話が聞こえてくる。
茜がうわごとのように呼んだ名前“ヒロキ”。
その相手にあんなバカにされたような言い方されて。
ホントは俺が殴りかかりたいくらいムカついてる。
でも。
茜は言った。
“何があっても出てきちゃダメだよ?”
茜はきっとわかってた。
杉原と言い争いになるのも。
それを聞けば俺が出て行くコトも。
もしかしたら。
俺が殴りかかるコトも考えたカモしれない。
だから俺にそう言ったんだ。