半熟cherryⅡ
chapter:08
教室に入り、自分の席に向かうと。
机の上には見慣れた白い封筒があった。
…今日の中身はなんでしょね…っと。
軽くため息を吐くと。
その白い封筒を手にした。
その瞬間。
金曜の夜に見た舞浜の姿を思い出す。
俺らには気付いてないみたいだったケド。
アイツはなんであんなトコにいたんだろう。
コソコソと物陰に隠れて。
明らかに周りを気にしながら誰かと話してる舞浜が。
妙に脳裏に焼き付いて離れない。
なんだ?
この胸騒ぎ…。
手に持った白い封筒からは。
“開けるな、見るな”と。
警告音が鳴っているように思えて仕方なかった。
白い封筒から発する黒いオーラ。
その時だった。
「…郁ッ!!」
自分の席から急ぎ足に涼真が駈けてきた。