半熟cherryⅡ
「…“お楽しみ”って、なんなんだろうな」
空を仰ぎながら涼真が言った。
『…さぁね。
あんま楽しくないような気がするんだケド?』
「…同感」
茜のマンションに入っていく俺の写真。
“お楽しみはこれからです”の手紙。
舞浜は。
何を知ったんだ?
茜のマンションに入っていく写真にしても。
茜の部屋に入っていくとは限らない。
今までなら涼真にも写真が入っていたのに。
今回に限って手紙だけが入ってた。
今までの舞浜と違いすぎる。
写真見てこっちから動きだすのを待ってるのか?
…いや、違う。
動くのを待っているなら。
もっと決定的なモノを突き付けてくるはず。
それに。
そんな決定的なモノがあるなら。
ばらまいて騒ぎにしてるはず。
そのトキ。
“バンッ”
大きな音を立てて屋上の扉が開いた。