半熟cherryⅡ
「…いた…ッ…」
突然、屋上に現れたのは。
走ってきたのか。
息をきらせた一美センセイだった。
『“いた”って…俺らのコト探してたの?』
「…つーかかなり息切れしてんな。
運動不足じゃねぇ?」
「…う、るさ…ッ…」
涼真のひとことに。
“余計なお世話”だと言わんばかりの表情を見せると。
一美センセイは大きく息を吐き自分の呼吸を整えようとした。
…この状況。
今は授業中。
なのに一美センセイが走ってまで俺らを探しに来た。
…なんか、ものすっごく。
イヤな予感がするんデスケド…。
「…で、なにがあった?」
俺の“イヤな予感”なんて全く気付いてない一美センセイは。
涼真の問いに答えるように。
まだ息の整いきらないまま。
言葉を発し始めた。
「…茜が、杉原先生に…連れていかれた…」