半熟cherryⅡ



『「はッ?!」』





一美センセイの言葉に。

俺と涼真の声がハモる。





…連れていかれたって…なに?



それ。

“拉致られた”ってコト?



不法侵入に拉致。

犯罪街道まっしぐら。





…アイツ、マジで捕まりたいワケ?





フツフツと沸き上がってくる怒りを抑えながら。

一美センセイの言葉の続きを待った。





一美センセイはまたひとつ大きく深呼吸をすると。

今まで見たことのないような厳しい顔をした。





「杉原先生“逢沢のことで話がある”って言ってたんだけど。
…どーゆー意味?」





「あれは“生徒の逢沢クン”の話があるって顔じゃなかった。
それに生徒の話ならわざわざ保健室まで茜のコト探しに来ないでしょ」





一美センセイの俺を見る目が物語っていた。





…一美センセイは知ってる。

俺と杉原が茜の部屋で顔を合わせたコトを。



 

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