半熟cherryⅡ
「“戦闘準備”ってなにすんだよ?」
教室に戻る途中。
涼真が首を傾げた。
『まぁ、いろいろ?』
「はぐらかすんじゃねぇよ」
涼真はまた眉間にシワを寄せた。
『…涼真にも協力してもらわないと潰せないから。
ご協力ヨロシク』
そう言って口元を持ち上げた。
すると涼真は眉間のシワをますます深くして。
ため息混じりに呟いた。
「…お前のお願いなんてきっとロクなモンじゃねぇよな…」
…さすが、涼真クン。
つきあい長いだけによくわかっていらっしゃる。
『…杉原だけじゃねぇしな』
俺の付け足した言葉を聞いて涼真が怪訝そうな顔を見せた。
「舞浜も一緒にやるのか?」
『これ以上めんどくさいのが増える前にケリつける』
「…それは俺も同意するよ」
早くケリつけて。
また茜とゆっくり話がしたい。
話だけじゃもう足らない。
茜まるごと欲しい。
そう思いながら教室に入ると。
机の上に置かれているモノに気が付いた。