半熟cherryⅡ

何も知らなければ。

“爽やかな笑顔”と思ったカモしれない。



でも。

どーにも胡散臭くてたまらない。



その笑顔の裏で。

アンタは何を考えているんだろうね。





杉原は。

胡散臭い笑顔を浮かべたまま口を開いた。





「話があるから放課後、指導室まで来るように」





…話?

俺には今すぐどうこうする話はナイんですケド。



まさか。

真面目に成績の話とか模試の話とかするワケじゃないデショ?





…そうは思っても。

ココは教室。

先生からの呼び出しを無下にはできるワケもなく。





『…わかりマシタ』





胡散臭い笑顔に対抗するように。

“ニッコリ”笑って返事をした。





“じゃあ、待ってるよ”

そう言って杉原は教室を出て行った。





「…おい、郁」

『…なんだよ』

「暴れてくんなよな」

『涼真じゃあるまいし、んなコトするわけナイ』





…涼真。

お前はもっと別の心配しやがれ。



 

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