半熟cherryⅡ

6時間目の授業が始まってすぐ。

無造作にポケットに突っ込んであるケータイが。

ブルブルと震えた。





…その震えはすぐ止まる。





…メール…。



授業中だぞ、おい。





そうは思いつつも。

退屈な授業よりもメールが気になって。

机の下でコッソリと。

ケータイを開いた。





…差出人は。

茜だった。





茜からメールがくるなんて。

珍しいなんてモンじゃない。

しかも、授業中。





…センセイしからぬ行動デスな。





でもやっぱり。

好きなヒトからのメールは嬉しいモノで。

顔がニヤけそうになるのを堪えた。




メールひとつでニヤけるなんて。

俺もまだまだだな。





自分を落ち着かせるように。

“フゥ”とひとつため息を吐くと。

メールを開いた。



 

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