半熟cherryⅡ

『…あのﾒｰﾙ、なに？』



ﾊﾟｿｺﾝに向かう茜の背中から声をかけた。





「ｺｺ、学校だよ？そーゆー話しないで」



茜はﾊﾟｿｺﾝから目を離さない。





…ますます意味わかんね。





自分ﾃﾞｼｮ？

授業中にﾒｰﾙしてきたのは。





『…授業中だってわかっててﾒｰﾙしてきたのは茜ﾃﾞｼｮ？
“あのﾒｰﾙ”の意味くらい教えなよ』





何を“もうやめたい”のか。

俺には知る権利があるはずだ。





そう俺が言っても。

茜はそのままﾊﾟｿｺﾝから目を離さない。





言葉もなく。

ただｷｰﾎﾞｰﾄﾞを叩く“ｶﾀｶﾀ”という音が。

今の空気とは正反対。

軽快に響いていた。





『…“生徒”とは話もできないって？』





沈黙は肯定を意味するのか。

否定を意味するのか。





…茜がﾊﾟｿｺﾝから顔を上げた。