半熟cherryⅡ
「しっかし暑いな〜」
始業式も終わって。
教室へ向かう途中。
涼真がワイシャツの袖を捲りながら言う。
『この暑さにあの校長の長い話じゃたまりマセン』
俺も返事をしながらワイシャツの袖を3つ折り返す。
そこに。
後ろから聞き慣れた声が飛び付いてきた。
「「い〜くチャン♪」」
『んなッ?!』
体が前のめりになった。
危うく転けそうになる。
「お〜、ケンチャンとアツシじゃん。
プール行った日以来じゃね?」
涼真が笑う。
「俺ら部活があったからね〜」
コレ、ケンチャン。
メイクしたらその辺の女子より可愛いんじゃないかと思うくらいの美少女顔。
「後半合宿だったしな」
こっち、アツシ。
短い髪をツンツン立ててる爽やか系。
2人ともバレー部所属のスポーツマン。
『つか、重てぇし…』
俺に飛び付いたまま話をするな。
しかも暑苦しいし。
首に巻き付いた腕を解きながら2人に言った。
腕を解くと。
2人はニヤニヤしながら口を開いた。