半熟cherryⅡ
chapter:09

―放課後。

俺は指導室の前にいた。





6時間目の授業半ばに教室に戻った俺に。

聞きたいことがある様子の涼真はメールをしてきた。



でも。

杉原との話が終わってからの方が説明が楽だと思って。



“とりあえず待ってろ”とだけメールした。





ココに来る前に。

保健室に寄って一美センセイに言ってきた。



『茜にひっぱたかれるカモ知れない』

と。



その言葉に一美センセイは。



「事と次第によっては私も殴るわよ?」



言葉とは正反対の“ニッコリ”優しい笑顔で言葉を発した。





…話がついたら。

茜と一美センセイにはひっぱたかれるの、覚悟だな。





自嘲気味にうっすら笑って。





“フゥ”とひとつ。

空気を吐き出すと。





“コンコン”

『…2年6組の逢沢デス』





指導室のドアをノックした。



 

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