半熟cherryⅡ

「これ、この間の模試の結果な」




中に入るなり。

杉原に渡された1枚の紙。





「お前成績いいんだから、生活態度を改めろよ」





少し呆れたように。

眉尻を下げて杉原が言った。





…杉原センセー…。



アンタ、こんなモン渡すために俺を呼び出したワケじゃないデショ?





『…ヒマじゃないんで、本題に入ってもらえませんか?』





手の中にある紙をテキトーに折って。

ポケットに突っ込んだ。





「まぁ、そんな焦るなよ」

『…くだらないコトに時間かけたくナイだけデスよ』





“やれやれ”と言いたそうな顔をして。

杉原は机に寄り掛かった。



そして。

そのままポケットからタバコを取り出して。

1本、口に咥える。





「…じゃ、ご要望にお応えして本題に入りますか…」





薄ら笑いを浮かべたまま。

咥えたタバコに火を付けると。

“フゥ”と紫煙を吐き出した。



 

< 202 / 280 >

この作品をシェア

pagetop