半熟cherryⅡ
「これ、この間の模試の結果な」
中に入るなり。
杉原に渡された1枚の紙。
「お前成績いいんだから、生活態度を改めろよ」
少し呆れたように。
眉尻を下げて杉原が言った。
…杉原センセー…。
アンタ、こんなモン渡すために俺を呼び出したワケじゃないデショ?
『…ヒマじゃないんで、本題に入ってもらえませんか?』
手の中にある紙をテキトーに折って。
ポケットに突っ込んだ。
「まぁ、そんな焦るなよ」
『…くだらないコトに時間かけたくナイだけデスよ』
“やれやれ”と言いたそうな顔をして。
杉原は机に寄り掛かった。
そして。
そのままポケットからタバコを取り出して。
1本、口に咥える。
「…じゃ、ご要望にお応えして本題に入りますか…」
薄ら笑いを浮かべたまま。
咥えたタバコに火を付けると。
“フゥ”と紫煙を吐き出した。