半熟cherryⅡ
わかりやすくもなにもナイ。
まず俺には杉原の言葉を理解する気がナイ。
そんな俺の気持ちなんか知らない杉原は。
ツラツラと言葉を並べ始めた。
「浮気なんてのは帰る場所があるからできるんだよ」
「毎日同じメシ食ってたら違うモン食いたくなんだろ?」
…確かに恋愛は甘いだけじゃねぇ。
でも。
それは浮気した言い訳にもならないし。
ましてコイツの言ってるコトは。
浮気を正当化してるだけだ。
俺は拳を“ギュッ”と握った。
『…アンタ、茜の気持ち考えたコトあんのかよ?』
「…泣くほど俺が好きなんだろ?」
…ホンットにバカ!!
どんだけおめでたい頭してんだ、コイツ。
こんなヘビー級バカに恋愛語りたくねぇし、語られたくもねぇ。
たいして吸いもしないタバコの2本めに火を点けて。
杉原は“フッ”と鼻で笑った。
「“好き”なんて一時の感情。
…ガキの戯れ言だ」