半熟cherryⅡ
『公務員なんて安定した仕事なのに。
女も失い、仕事も失い。
訴えられでもしたら転落人生まっしぐら』
「…お前、教師を脅す気か?」
よく見ると。
杉原の額に汗が浮かんでいるのに気付いた。
『先に脅しかけてきたのはアンタの方だよ。
…教師が生徒脅すなんてヤバいんじゃないの…?』
“覚悟しとけよ”
なんて言わなけりゃ。
少なくても俺自身のコトでは何も言われなかったのに。
「…お前…ッ…!!」
こめかみに青筋をたてた杉原が。
俺の胸ぐらに掴みかかってきた。
その時だった。
ノックもされず。
“ガラッ”と大きな音を立てて。
指導室のドアが開いた。
「…杉原先生、もうやめてください…」
入ってきたのは。
茜だった。