半熟cherryⅡ
指導室であった杉原との話を話すと。
「でもそれって茜がタイミングよく来たから話がまとまったんじゃねぇの?」
涼真は腑に落ちない顔をした。
「あ、それは私が逢沢クンに頼まれた」
一美センセイが言葉を発した。
「郁に?」
「“今から10分したら茜に指導室に来るように伝えて”って」
「…じゃあ郁は私が指導室に来るコト知ってたってワケ…?」
涼真、一美センセイ、茜。
3人が一斉に俺の方を向いた。
『…俺と杉原だけで話がまとまるワケがないデショ?』
…茜が何かしら言うだろうと予想はしてたケド。
まさか“関わるな”とまで言うとはな。
…恐るべし、茜…。
俺は、誰にも気付かれないくらいの小さなため息を吐いた。