半熟cherryⅡ
「…で?アンタたちのキスは…」
「だからしてねぇっつーの!!」
眉間にシワを寄せて神妙な顔をしてる一美センセイと。
こめかみに血管が浮き出そうな涼真。
一美センセイはあんな神妙な顔してるケド。
絶対おもしろがってる。
だって。
指導室行く前に“ちょっと見苦しいモン見せるコトになりマス”って言ってったし。
なにより。
口元笑ってるし…。
でも。
今後のためにも事実は知っておいてもらいたい。
『…事故デス』
そう。
あれは事故。
“フリ”だけでよかったのに。
涼真のアホ。
肝心なトコで滑んじゃねぇよ。
「…悩みがあるなら聞くからね」
“ポン”と一美センセイに。
肩に手を置かれた涼真の顔が若干引きつっていたのは。
見なかったコトにしておこう…。
「あ、そうだ」
一美センセイが“パンッ”と何かを思いついたように手を叩いた。
「茜と逢沢クンはどうなったの?」