半熟cherryⅡ
chapter:11
「コーヒーで、いい…?」
『…ん』
リビングに通されて。
俺はこの間と同じように。
床に座りソファーに背中を預けた。
そして。
コーヒーの入ったグラスを持ってきた茜もまた。
この間と同じようにソファーの端っこに腰を下ろした。
『…………………』
「…………………」
何から話そうか。
何から触れようか。
つきあいたてのカップルみたく。
お互いの出方を待ってるような。
そんな空気が流れていく。
「…あ、のさ…」
“コクン”とコーヒーが喉を通ったトキ。
先に口を開いたのは茜だった。
「…ホント、ゴメンね…」
コーヒーの入ったグラスをテーブルに置いて。
自分の膝を抱えた茜。
その言葉の真意がわからなくて。
少し首を傾げる俺。
『なにが?』
「年上なのに頼りないし。
むしろ迷惑かけてるし。
…ワガママ、ばっかだし…ッ」
茜が紡いでいた言葉が詰まった。