半熟cherryⅡ
chapter:12
…視線を感じる…。
“明日、先に行く”
学校があるから、と自宅に帰った俺に。
涼真からそうメールがきて。
翌朝は珍しく涼真と別登校になった。
…にしても、この視線。
一体なんなんだ…?
校内に入るなり異様に感じる視線。
それは冷やかなモノと熱ッポイモノが交ざってる。
「おはよ〜、郁チャン♪」
“ガバッ”と背中側から腕をまわされる。
この声は…アツシだな。
『…郁チャン言うな』
「まぁまぁいいじゃん。
…あれ?ココ、どした?」
そう言ってアツシが指さしたのは唇の端。
『…ん?ちょっとな』
「また意味深だなぁ、お前」
『そーでもねぇよ?』
「…ところでさぁ…」
不機嫌そうに薄ら眉間にシワを寄せ。
いきなり小声になったアツシの口から。
耳を疑いたくなるような言葉が発せられた。
「お前、涼真に襲われたって…マジ?」