半熟cherryⅡ
教室に入ると。
やっぱり痛い視線がチクチク刺さる。
でも今の俺にはそんなのカンケーなくて。
涼真の席にバッグがあるか確認するのが先だった。
バッグはあるケド姿は見えず…。
どこ行ってんだ、アイツ…。
とりあえず自分の席にバッグを置こうと振り向くと。
「郁、おはよ〜」
そこには爽やかに微笑むケンチャンがいた。
『おはよ。涼真知らねぇ?』
「涼真なら青筋たてて保健室行ったよ」
…う〜ん、青筋…。
しかも保健室…。
今行ったらめんどくさいコトになりかねないんじゃないかと…。
そうは思ったケド。
行かなきゃ行かないで一美センセイからメールがきそうだしな。
“引き取りにこい”って。
自分でまいた種とはいえ。
“アレ”を見てた人間が他にもいたなんて…。
背筋に冷や汗が伝う。
そのトキ。
机の上に置いてあるモノが目に入った。