半熟cherryⅡ

「お前らはそれ、誰から聞いたの?」

涼真がため息混じりに言葉を吐く。

「女バレの後輩。有名人だな、郁チャン」

『…うるせぇし』



…まぁ、神社の夏祭りだ。

誰がいたっておかしくない。

とにかく相手が“茜”だってわからなきゃいいんだ。





「なぁんか楽しそうな話してるねぇ〜♪」



後ろから“ガシッ”と肩を掴まれた。



『「…ッ?!」』



一瞬、体が“ビクッ”と震えて背筋が伸びる。



………この声は………。





「…一美センセー」



先に振り向いた涼真が言葉に出した。



……やっぱり……。



「おもしろそうな話だし、私も聞きたいな〜。
よし!!保健室行こう♪」



そう言って俺と涼真の背中を押すのは保健室の一美センセイ。





…おもしろそうな話って…。

アナタ、知ってますよね?



俺と茜が“そーゆーカンケイ”なコト。



 

< 5 / 280 >

この作品をシェア

pagetop